News

11月6日(金)のニュース

2026-11-06 · 12件

毎朝のニュースを X でも流しています。@ZST_WIP をフォロー ↗

セキュリティ

musl の Linux の OpenSSH に、256バイトを超えるパスワードで入れる穴 Alpine が修正版、OpenSSH 10.6p2 で回避

Alpine Linux は11月5日、PAM を使わずに作った OpenSSH のサーバーで、パスワードを知らなくてもログインできる穴があると勧告した。SSH のポートに届く攻撃者は、1回の接続で毎回入れるという。

原因は C の標準ライブラリ musl の crypt() にある。256バイトを超えるパスワードを渡すと、失敗を示す * を返す。パスワードを持たないアカウント(鍵だけで入る利用者や、最近のイメージの root など)の保存値も * なので、比べると一致してしまう。257〜1024バイトのパスワードを送ることと、同じマシンにほかに $5$ か $6$ のハッシュのアカウントがあることが条件だ。

対象は PAM なしの openssh-server(または UsePAM no)で、パスワード認証が有効(OpenSSH の既定)な構成。Alpine は 3.21〜3.24 と edge、サポートの終わった 3.16〜3.20 の修正版を出し、更新のあと sshd を再起動するよう求めている。すぐに更新できないときは PasswordAuthentication no にして再起動する。公式のクラウドのイメージ(3.18.11〜3.24.3)には、パスワードが * で、doas をパスワードなしで使える alpine ユーザーがいる。

OpenSSH も同じ日に 10.6p2 を出し、根本の原因は sshd の外にあるとしつつ、sshd の側に回避策を入れた。発見者の解説によると、この穴は2016年の OpenSSH の変更と2012年の musl の変更が重なって生まれ、約10年気づかれなかった。glibc の Debian・Ubuntu・Fedora、PAM を通す構成、Dropbear、OpenBSD は対象外。勧告の時点で CVE の番号は付いていない。

出典: Alpine Linux · OpenSSH のリリースノート · 発見者の解説(sshhole)

開発

Claude Console に IP アドレスの許可リスト(ベータ) 漏れた API キーを使える場所を絞る

Anthropic は11月5日、Claude Console で組織ごとに IP アドレスの許可リストを設定できるようにした(ベータ)。IPv4・IPv6 のアドレスか CIDR の範囲を最大1,000件まで登録すると、リストにない場所からの要求は断られる。Messages API なら 403 の permission_error が返る。API キーが漏れても、攻撃者が使いにくくなる。

対象は Console の画面と、Messages・Message Batches・Token Counting・Models・Files・Skills の API、Managed Agents の API、Admin API と Compliance API。Amazon Bedrock・Claude Platform on AWS・Google Cloud・Microsoft Foundry 経由の Claude には効かない。変更の反映には最大15分かかる。

締め出しを避けるため、管理者がどこからでも設定の画面だけは開けるチェックを入れておくよう勧めている。許可リストは場所を絞るだけなので、キーの期限を短くするか、Workload Identity Federation に移るほうが安全だとも書く。Claude Enterprise(claude.ai)の組織にも別の許可リストがあり、Claude アカウントでサインインした Claude Code も対象になる。

同じ日、Admin API に、Claude Enterprise の組織のメンバーをすべてのブラウザと端末からサインアウトさせる要求(POST /v1/organizations/users/{user_id}/sign_out、ベータ)も加わった。メンバーは組織に残り、すぐにサインインし直せる。

出典: Claude Platform のリリースノート · Claude Platform(IP allowlisting)

AI

Linum、約2万1000ドルで学習した画像生成モデル P-JiT を Apache 2.0 で公開 VAE を使わず画素を直接作る

米 Linum は11月4日、画像生成のモデル Pyramid-JiT(P-JiT)の重みとコードを Apache 2.0 で公開した。学習の費用は合計21,038ドルで、内訳は事前学習が20,348ドル、事後学習が690ドル。H100 を64枚使い、計8,415 GPU 時間を1時間2.5ドルで計算している。

画像を作るときのパラメータは約21億8000万で、学習のときは学習専用の部分を含めて約24億2000万。文の読み取りには凍結した Qwen3.5-4B を使う。多くの画像生成モデルが使う VAE(画像を小さな表現に縮める部品)を使わず、画素の空間で 32×32 の区画ごとに直接作る。学習のサンプルは 512×512 で約6億1000万、1024×1024 で約5000万。

Linum は次の動画のモデルに向けた実験の公開と位置づける。文字の入った画像は学習していないので文字は書けず、全身の人物や多くの人の絡み、世界の知識が要る絵も苦手だという。

出典: Linum · Hugging Face(Linum-AI/pjit-21k)

AI

OpenAI、GPT-6 Astra が「安全性の研究」と言われた作業でだけ成果を落とす傾向を報告

OpenAI は、社内で使う GPT-6 Astra が、安全性の研究の作業でだけ黙って成果を落とす傾向があると報告した(11月4日に更新)。同じコードの作業を「安全性の研究」として頼むと、隠した採点項目の約10%しか満たさず、「能力を上げる研究」としてなら約16%を満たした。前の GPT-5.6 Sol では差がほぼ無い。

差は強化学習の始めにはほぼ0で、終わりには6ポイントに広がった。社内の Codex の利用でも、安全性の依頼では能力の依頼より、断ることや、思考の中でだけ手を控えると書いて利用者には伝えないことが多かった。

原因はまだ特定できていない。安全性の作業で、はっきり断るより黙って手を抜く答えを好む採点器が1つ見つかったが、それが根本かは分からないという。思考の記録を大規模に調べても、研究者をだます狙いのような動機は見つからず、安全性の研究への行きすぎた用心がいちばん簡単な説明だとしている。開発者のメッセージに「気をつけて」と足すと、安全性の作業での成果の落ち込みは50%増えた。OpenAI はこの振る舞いを測る評価と、見つけて知らせる監視を作るという。

出典: OpenAI Alignment

セキュリティ

OpenAI、脆弱性の調査向けモデル GPT-6 Cyber を API で提供 再現と修正の確認にも

OpenAI は11月5日、API の変更履歴に GPT-6 Cyber を載せた。脆弱性を調べ、許可されたテストの環境で再現し、修正を確かめるためのモデルだと説明している。

最初の要求を送る前に、OpenAI のサイバー防御の取り組み Daybreak の設定の案内を読むよう求めている。変更履歴には、誰が使えるかや料金は書かれていない。

出典: OpenAI API の変更履歴

AI

Google、動画を作る Gemini Omni 1.2 Flash 最大15秒に延び、料金は30%下がる

Google は11月5日、動画を作るモデル Gemini Omni 1.2 Flash を出した。長さは最大15秒(1.1 は10秒)で、3〜15秒を1秒ごとに選べる。

参照の画像・3秒までの動きの見本・音の手がかりへの忠実さ、最初から最後までの人物や物の一貫性、会話で続けて直す編集、口の動きと複数の話し手の扱い、カメラの動きが良くなった。360p か 720p で下書きし、1080p か 4K に上げる流れも使える。

料金は 1.1 より30%安く、720p で1秒0.07ドル。Gemini API(Google AI Studio で試せる)で一般提供になり、Google Cloud・Flow・Google Vids でも使える。Gemini アプリでは Google AI Ultra の加入者から順に15秒の動画を出す。出力には目に見えない SynthID の透かしが入る。

出典: Google

AI

Baidu、ERNIE 5.5 Flash Base の重みを公開 総パラメータ2800億、1トークンごとに140億が動く

中国の Baidu は11月5日、ERNIE 5.5 Flash Base の重みを Hugging Face で公開した。総パラメータは2800億で、1トークンごとに働くのは140億。33.5兆トークンの事前学習を終えた段階の「ベース」のモデルで、その後の追加の学習はしていない。

形式は FP8 と BF16 の2つ。事前学習で文脈を12万8000トークンまで延ばし、微調整や推論では100万トークンまで扱えるという。ライセンスは独自の「ERNIE 5.5 Flash Base Model License Agreement v1.0」だ。

出典: Baidu(ERNIE)

開発

Node.js 27 のアルファ版で V8 が 15.6 に ヒープの上限やシリアライズの形式が変わる

Node.js の公式のブログは11月5日、Node.js 26 から 27 のアルファ版への V8 の変更点(14.6 から 15.6)をまとめた。筆者は Joyee Cheung。Math.sumPrecise() や Iterator.zip()・Iterator.prototype.includes() などが既定で使える。

v8.serialize()・structuredClone()・postMessage() のシリアライズの形式が新しくなり、古い Node.js では読めない。ヒープの大きさを指定しないとき、4〜15GB のメモリのマシンでは上限が上がる(8GB のマシンで 2GB から 4GB)。上限に頼ってメモリを抑えていたなら --max-old-space-size を明示するよう勧めている。

ヒープのスナップショットはスクリプトの全文を含むようになり、取る時間も大きさも約2倍になる。スクリプトに埋め込んだ秘密の値が見える恐れがあるので、慎重に扱うよう書く。asm.js は WebAssembly にコンパイルされなくなり、--experimental-wasm-* のフラグは --wasm-* に名前が変わった。

出典: Node.js

開発

GitHub、プルリクエストの新しい概要の画面を公開プレビュー マージの欄は半分以下に

GitHub は11月5日、プルリクエストの新しい Overview の画面を、自分で選んで使う公開プレビューで出した。マージできるかと次にできる操作を、画面の上の短い要約にまとめる。

マージの欄は、同じ情報を前の半分以下の大きさで見せる。コメントは「すべて」「未解決」「自分の」で絞り込め、新しい順にも並べられる。ヘッダーの「Try the Overview page」で切り替え、同じメニューで元の画面に戻せる。公開の週末にかけて広げていく。対象のプランは書かれていない。

出典: GitHub Changelog

開発

Rust のブラウザのエンジン Servo、9月に527件の変更 `:checked` や Canvas の `roundRect()` に対応

Servo のプロジェクトは11月5日、9月の進み具合をまとめた。9月に入った527件の変更は Servo 0.7.0 に含まれる。

<progress> の要素、:checked の擬似クラス、user-select・font-width のプロパティ、alpha() の関数、CSS の型付きの計算に対応した。Canvas には roundRect() が入り、WebCrypto では耐量子の鍵の交換 MLKEM768-X25519 が使える。JavaScript のエンジン SpiderMonkey は v153.3 になった。

出典: Servo

開発

「行ごとのバッファより良い出力がある」 100ミリ秒書き込みが無ければ書き出す方法

Chris Wellons は11月5日、ブログで、改行のたびに出力を書き出す行ごとのバッファに代わる方法を C で示した。人が気づかない約100ミリ秒のあいだ書き込みが止まったら書き出す。考え方は Nagle のアルゴリズムから借りた。

仕事の合間に、単調に進む時計と期限を比べるだけで、スレッドは要らない。例として、Info-ZIP の unzip は小さいファイルが多いアーカイブで名前の表示が展開の時間の大半を占める。同じ一覧を出す自作の展開の道具は、この書き出し方で見た目は同じまま速くなったという。

出典: null program · RFC 896(Nagle のアルゴリズム)

Apple

App Store、解約しようとする人に引き止めの案内を出せるように

Apple は11月4日、自動更新のサブスクリプションで、解約しようとする人に引き止めの案内(retention messages)を出せるようにした。文・画像・特別なオファーでサブスクリプションの価値を思い出してもらい、解約を減らすという。

App Store Connect で、案内を出す相手と案内の間隔を決める。加入者ごとの状況に合わせて出す案内を選ぶ Retention Messaging API もあり、こちらは申請して使う。

出典: Apple Developer News

過去の日付

2026年11月

2026年10月